T様は、当初既存建物の全面リフォームにて検討されていましたが、建て替えて新築にした場合について相談をいただきました。
お話を伺いますと、住まわれている住宅への性能(耐震性、耐火性、断熱性等)に不安があり、間取りについては家族がいつも利用する場所が限られてしまい有効利用できず、日当たりや風通しも悪いことなどが問題としてあり、それらが建て替えによって大きく改善されることを要望されていました。
敷地は南北に細長い形で両隣も近接しており、また東日本大震災時に近隣で地盤の液状化が見られたことなどが、安全面で考慮するところでありました。
プランについては、2階建てでは既存と同じ問題が出やすいために3階建てにすることが解決策の一つでしたが、北側道路による斜線制限が厳しいものでした。
いつもそうですが、このように敷地条件には様々な制約があります。安全性や快適性などの性能面については、住宅の技術もそれなりに進歩していますので、対応することはある程度可能です。
この住宅においても、建物についてはスーパーウォール工法の採用により断熱性能や耐震性能を高くしていますし、また地盤についてはスーパージオ工法の採用により免震と液状化対策も実現しています。
それでもなお、敷地の大きさについては自由になるものではないので、それによる間取りや使い勝手、日々の暮らし方については制約が多くなります。
そういった事を解決するには我々が色々と提案させていただくわけですが、お施主様のライフスタイルがどのようなスタンスであり、これから暮らしをどのように描いているかが重要な鍵となります。それには、地域との関わりや同居されるご家族の関係がポイントとなります。
その点、この住宅においてはご家族の皆さんのチームワークが良く、それぞれの意見がまとまっていて細かなところまで明確によく検討されていましたので、これなら良い住宅になると確信しました。特にあまり住宅のボリュームが取れない場合には、要望の取捨選択が重要になります。何を優先して何を諦めるか。ここの暮らしで何を一番重要とするのか、私がいろいろと質問をさせていただいたことにも、ご家族で良く話し合われて返してくれました。
お施主様のご理解と努力によって、大変やりがいのある仕事をさせていただき感謝しております。
このような過程を通して、そのご家族なりの暮らしのスタイルが家の形となり、また暮らし始めてからも家が育っていくのだと思います。
”家が育つ” それは豊かな暮らしの歳月を重ねていく事と弊社では考えております。
この住宅の詳細につきましては、弊社ホームページを御覧ください。