日本国内の交通事故死と家庭内事故死に関連する資料によると、
1995年以降2010年まで交通事故による死亡者数は年々減って
1万5千人から7千人程度とおよそ半分になっています。
その一方で、家庭内での事故死は年々増加し、
2010年には1万4千人程度となっています。
この原因として、社会の高齢化が進んでいる点、
そして住宅の性能向上がなかなか進んでいない現状があります。
現在の日本の住宅のうち、約95%は今の省エネ基準を満たしておらず、
年に数%程度しか新しい住宅に置き換わっていません。
断熱も悪く隙間風が入り、冬は寒く夏は暑い。
そんな住宅事情がなかなか改善されないまま、高齢者の割合はどんどん増えていく。
その為、住宅内における高齢者の事故死が増えているのだそうです。
その中で目立っている死因は、浴室での事故死や転倒・転落、窒息死です。
中でも浴室での事故死は、病死扱いとなっているものを含めると
1万7千人との報告があります。また、数自体は少ないものの、
猛暑による熱中症も数百人にのぼると説明がありました。
ここでもし住宅が無断熱ではなく、現在の省エネ基準を満たした
断熱かつ浴室暖房もある住宅であったとすると、自宅の入浴事故で
救急搬送される割合が1,000人中9人から5人まで減らせる計算になるそうです。
家庭内事故により医療費が上がることになれば、将来的には国の財源圧迫となり
消費税増税や年金問題等の話が繰り返されることになります。
確かに高断熱高気密住宅はイニシャルコストは上がりますが、
必要不可欠な住宅の大事な性能です。
次の世代の為にもじっくりと考えてみて下さい。
記事提供 : 有限会社 渡辺忠雄工務店