先日、築35年になる建物を建て替えにしようか?リフォームにしようか?決めかねているという方が相談に来られました。
親から譲り受けた我が家を大切に使いたいという気持ちと、反対に地震に対して不安だから
今後、この建物を建て替えるのかリフォームにしたらいいのか分からないという事でした。
最近この様な相談は、めずらしくありません、
建物を建てる為には建築基準法という法律があります。
この法律は大地震が起きる度に大きな改正がされています。
建物を建てる為のいろんな最低基準を示しているものです。
地震に対しても、構造上の最低基準が定められています。
今回の相談者の家は、築35年で、昭和55年に建てられた建物で、大改正前の建物です。
基準法は昭和56年に大改正されました。
何が変わったかというと
曖昧だった体力壁に使われる筋交い材等の止め付け方法に基準が定められました。
以前の旧耐震基準では、震度5強程度の揺れに対して建物が倒壊しなく、破損したとしても補修程度で生活が出来るという構造基準でした。
昭和56年以降の新耐震基準では震度5強程度ではほとんど損傷がなく、震度6から震度7程度に対しても人の命に危害を及ぼすような倒壊を発生させない事を目標として基準を定めています。
そして、この法律は平成12年にも大改正がありました。
建物本体の強さの基準だけではなく、建物を支える基礎、その基礎を支える地盤に対して調査することが事実上義務になりました。
地盤の調査以外にも耐力壁(壁の強さ)をバランスよく配置させることや金物の仕様が明確化されました。
阪神大震災の時の多くの建物の倒壊した原因に土台から柱が抜けて、角から崩れ落ちるというのが多いことから。
基礎から土台を貫通して柱と緊結する金物の基準も義務ずけられました。
以上の事から、今回の相談者の建物は、建物的には強くなっているかもしれないが、全体の体力壁の配置のバランスが悪いと考えられるので、大地震が来れば、強いところは揺れませんが、弱いところは、反動で大きくる揺れて倒壊する恐れがあります。
きちんと建築士の資格を持っている耐震診断士に依頼をして、きちんと見てもらった方がいいでしょう。というようなアドバイスをいたしました。
この耐震診断の結果によって、リフォームにするのか建て替えにするのか、一つの判断材料にすることになると思いますが、これだけでは、判断は難しいと思います。
他の皆様も、もしこの方と同じような不安や恐れを抱いているならば
知識を持ち、新築とリフォームの両方が分かる経験豊富な人を味方につけて、親身になって相談に乗ってくれる専門の方に依頼しては、いかがでしょうか?
そういった専門家集団がアソビエクラブです。是非、お近くのアソビエクラブの会員にお声かけしてみてくださいね。
記事提供 : アソビエ千葉 ハルク