これからの日本の住まい 《スーパーウォール工法について》

私たちアソビエCLUBのメンバーが推奨するスーパーウォール工法(以下SW工法)について、ポイントを絞って簡単にご説明をしたと思います。

SW工法の歴史は古く、旧トステム株式会社(現在の株式会社LIXIL)によって開発され、1995年から販売を開始した工法です。

めでたく今年で20周年を迎えます。

 このSW工法の基本的な構造は木造軸組みに対して、SWパネルや床パネルを取り付けて建ていきます。

 この工法の特徴としては、

 ①地震に強く丈夫

 一般的な木造住宅の場合は筋違をいれることで、変形を抑えるようにしていますが、特定の柱や筋違に力が加わり、ねじれやすくなります。

これに対して、SW工法はSWパネルで家全体を覆うことで、ジャンボジェット機にも使用される、変形しにくいモノコック構造を実現します。SWパネルは全体で強度が保たれ、力が分散されるので、地震に強い建物になります。

今までで起こった大地震に対しても全壊したという報告はないそうです。

もちろん間取りの自由度も高く、プランの段階から耐震性が確認でき、耐震等級3(消防署等と同じ耐震性能)も実現可能です。

②断熱性の良さ

SWパネルには種類がいくつかあります。いずれも硬質の発泡ポリウレタンフォームという断熱材を使用しています。標準的なものですと、6センチの厚みで断熱材が充填されています。硬質の発泡ポリウレタンフォームと一般的なグラスウールの性能を比較すると、発砲ポリウレタン6センチと同等の性能をグラスウールで得ようとした場合、10.6センチの厚さが必要になります。ポリウレタンの方がより熱を通しにくいので、このような結果になります。

最近、家の断熱性能と健康に関するお話を聞く機会がありました。断熱性能の低い家よりも高い家に住んだほうが、より健康になる、健康が改善されるといった報告がありました。断熱性能は人の健康にも影響を及ぼすそうです。「PPK」とか「NNK」の違いが表れるそうです。気になった方は調べてみてください。

 ③気密性の良さ

SW工法では、必ず気密測定を行い、性能を数値で表示しています。気密に関する表現として、床面積1㎡辺りの家の隙間の大きさを示し、相当隙間面積(C値)で表現しています。C値が低い程、一般の住宅では、C値5cm2/m2が一般的かと思います。そもそも気密測定をすることもないとは思いますが。

それに対してSW工法では、C値1cm2/m2以下が求められます。

SWパネルにも気密性能を高めるための仕掛けが施されていますが、ここがアソビエCLUBメンバーの腕の見せ所でもあります。メーカーのパネルを使用すれば、隙間を少なくすることができるわけではなく、各工務店の培った知識と経験、努力によって、C値を0.3~0.6に抑えることが可能となっています。もちろん、実際に気密測定を行った結果です。

また、気密を高めることで、計画換気による空気の流れを操ることができるのです。

断熱性を高めた家でも大きな隙間があれば、そこから空気は自由に出入りをしてしまいます。穴の開いたコップに水を一所懸命入れている状況を思い浮かべて頂ければ、わかりますよね。気密も断熱と同じ位重要なのです。

 やっぱりSWの家

まだまだご説明することもあるのですが、また次の機会にご紹介したいと思います。

SW工法は、高気密・高断熱・高耐震の住宅づくりが可能です。建物自体を頑丈で保温性の高い、魔法ビンと同じ状態にすることが出来るのです。1、2階の温度差を少なくすること、部屋の上下の温度差を少なくすることで一年中快適な暮らしが出来る、期優良住宅や低炭素認定住宅、ゼロエネルギー住宅などにも対応できる、基本性能の高い住宅を提供できるのがこれからの日本の住まいとしてふさわしい住宅だと思います。

 ちなみに、このスーパーウォールのネーミングの意味をご存知ですか?

アソビエCLUB東京 会員でもあります、アイケーインターナショナルの小林会長にお聞きしたことがあるのですが、SWとは、 夏=Summerと冬=Winterの頭文字を取ったそうです。SW工法の原点、である「夏は涼しく、冬は暖かい」をイメージしているのだと思います。

 アソビエ東京 大創建設株式会社 石井 徹