衣服と玄関

 先日、渋谷ザニーさんというファッション・デザイナーの方が衣服の歴史に関するうちの、衣服と病気についてテレビで話をしていました。
それは、文化の違うそれぞれの民族が何らかの交流をした時に相手の衣服に触れることや着ることで、今まで罹ったことのない病気になってしまい、
極端な例では、その民族が滅亡してしまった。という興味深い話でした。
つまり、持ち込まれた衣服に未知の病原菌などが付着していたいたということです。
そこで渋谷ザニーさんの言いたかったことは、我々は今は比較的清潔な環境が外(街)でも内(住まい)でも整っていますが、
本来は衣服は外の汚れを持ってくるものですよ。そういう面があることを衣服にあることを忘れないでね。ということでした。
コート掛けが玄関にあるのは、そういうことですよ。ともおっしゃってました。
 
 そうなんです。
コートを玄関で脱ぐのは、家の中で必要ないからででもありますが、外の汚れを持ち込まない為であるわけです。
花粉についてだと、玄関前、つまり家に入る前に払い落としたり、玄関で掃除機で除去したりすると良いですよ。というアドバイスがよくあります。
そこで改めて考えるのは、玄関ははたして、家の内なのか?玄関は家の外として計画したほうがいいんじゃないか?ということです。
高気密高断熱の住宅においても、玄関は厄介なところです。
高性能の玄関ドアが付いてさえいれば良いということはなく、特に沓脱(土間)の断熱などプランによって色々と工夫が必要です。
他の部屋に比べて温湿度にしても外の影響がとても大きいところでしょう。
 
 なので、上述の衣服のことからも、いっそのこと玄関は外であると改めてとらえ直してみることが、とても大切なように思います。
花粉対策はもちろんのこと、他の汚れを住まいに持ち込まない、家族や来客の方々のコートや靴をどうやって脱いで、収納するかも含めて
暮らし方に全般にも係わることだと思います。
玄関にそのためのスペースを割くことは、なかなか難しい実状ではありますが、
玄関は外なんだと改めて認識して暮らし方を見直してみてください。