夏に風が通らない
冬に日が当たらない
夏に日差しが強い
冬にすきま風がふく
そこはあなたにとって快適ですか
多くの方は不快だと感じるのではないでしょうか。
でも、
夏に自然の風が巡り
冬に陽が注ぐ
夏の木陰や、冬の陽だまりのような家があったら
そこに住みたいと思いませんか
今回は、
一生に一度のお買い物 を 一生続くご褒美 にする、風のお話。
風のために【設計で出来る事】
▼△▼ 窓 ▼△▼△▼△▼△▼△▼
住宅にとって、室内と屋外をつなぐ窓の設計はとても重要です
窓の役割は大きく分けて4つあります
・通風
・眺望
・採光
・日射取得
ただし、全ての窓が全ての役割を果たしている訳ではありません。
それぞれの窓がそれぞれの役割を果たす為に設計する事が大切なのです
今回のテーマは風ですので、通風の窓についてお話します。
通風の窓は、可能であれば部屋の対角上に2つ必要です。
これは、風向きによって部屋が無風になってしまう事を防ぐためです。
また、部屋の上部と下部に窓を設ける事が
出来れば、無風状態の時でも、重力換気※
(自然換気)を促す事が出来ます。
※暖かい空気は軽くなって上部の開口から流出し,冷たい外気が下部の開口から流入する。
▼△▼ 袖壁 ▼△▼△▼△▼△▼△▼
袖壁は周辺の卓越風※を取り込む
ウインドキャッチャーとして機能します。
※いつも恒常的に吹いている風
窓に対して平行に吹く風は上手く室内に入ってきません。
壁を造る事で、その風を効率的に室内へ取り込む事ができます。
風のために【植栽で出来る事】
実は、日差しや風、湿度をコントロールする植栽。
植える場所(方位)や種類によって、良い効果を期待できます
《季節の風を考えた植栽》
北側には、冬期の冷たい北風を防ぐため、
寒さや風に強いシラカシなどの常緑樹を壁になるように植えます。
南側には、夏期の南風を弱めるために、
隙間をあけて、風通しの良い落葉樹を植えます。
夏には葉が付き日陰をつくってくれ、
冬には葉が落ち陽を通してくれます。
《風を呼び込む配植》
背の高い木は、塀から離して植えます。
最近では、手入れが面倒だからと
植栽はあまりこだわらない方も多いですが、
外観や室内から見える景色に影響を与えるだけでなく、
家と自然を繋ぐ役割をしてくれます
自然の風は、エアコンや扇風機の風とは全く違います。
快適で心地よい空間作りをしてくれるのです。
人が快適だと感じるのに重要なのは、体感温度。
体感温度は、室温だけでなく、湿度や風、物体がもつ熱(放射熱)など
様々な要素が関係しています。
自然の風は家全体を巡り、
人だけでなく、家本体も冷ましてくれます。
自分に向けられた風ではなく、包み込みような風であることが快適なのです