雨・湿気・温度、快適に過ごすには?

暖かくなってきたこの季節。今は過ごしやすい時季ですが、あっという間に梅雨入り、明ければ夏本番とまた体にはつらい時季が待ち構えています。

今の快適に過ごしている間に湿気と温度の関係性を知っておくと、梅雨本番、その先夏本番までも快適に過ごせるのです。

ぜひ今年の梅雨・夏はちょっと気にするだけで快適になるポイントをご紹介いたします。

 

まずは知っていて損はない単語を簡単にご紹介いたします。


【相対湿度】
これは一般的に皆さんが目にする湿度というものです。ある温度の空気中、気体でいられる水分の量全体のうち存在する水分量を%で表示したものです。

【絶対湿度】
温度関係なく空気1kgの中に存在する水分量です。

【不快指数】
気温と湿度から計算する数値で、必ずしも体感とは一致しないですが一つの目安です。日本人の場合、不快指数が70~74あたりで不快と感じ始める方が出始め、77になると半数が不快となり、85になると93%の人が暑さによる不快を感じると言われています。


 

ここでポイントの一つ。相対湿度は温度により変化することなのです!

その関係性を表にしたのがこちら

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・・・よくわからないですよね。

わかりやすく簡単に説明すると、

19度に設定した部屋があります。ここには14個の椅子が並んでいます。椅子が19度の中に気体でいられる最大の水分量だと思ってください。そこに7人が座っています。人は絶対湿度だと思ってください。

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つまりこの状態は 座っている人7人 ÷ 椅子14個 = 0.5 → 約50%

温度19度、湿度50%ということなのです。

これが上にあるわかりにくい表を簡単に説明してみました。

では温度が23度の場合は?

椅子の数が18個になります。絶対湿度は変わらないので人間が7人のままです。

つまりこの状態は 座っている人7人 ÷ 椅子18個 = 0.388・・ → 約39%

温度23度、湿度39%ということなのです。

 

では昨年、2016年、東京での梅雨時期の天気を気象庁のデータより2つ見てみましょう。

1日目は6月18日、平均温度26.7度、平均湿度50%でした。

2日目は7月14日、平均温度25.9度、平均湿度88%でした。

 

では上記2日の不快指数を計算してみます。この計算式も難しいので省略しますが、

1日目の6月18日は、74。  2日目の7月14日は77.3になります。

 

つまり6月18日より7月14日の方が気温が低いのに、湿度が高いため不快指数が高い結果になっています。

その数値も77.3と半数の方が不快になる数値になっています。

 

この計算からも湿度過多にせず適度に保つことが快適につながることがわかります。

除湿機を使えば・・・、と言えば簡単ですができれば家の性能・自然の力をうまく使い適度に保った方がいいですよね。快適な住まいの空間を作り出すには、

室外の絶対湿度が多い場合、室外の空気があちこちから入ってくれば、湿気も流入してしまうので梅雨時期は室内もジメジメしてしまう。

 →しっかり換気口から給気の流入のみとし、そのほかの部分はしっかり隙間をなくす。それにより室内空間の空気のよどみも少なく空間全体に空気の流れができるので室内の絶対湿度の上がりすぎをおさえられます。さらに換気の際、室内外の湿気も交換してくれるシステムを採用すると、より安定した快適な湿度空間を実現できます。

image004 室内の絶対湿度が高い場合、窓を開けても室内空気の流れがうまくいかないとなかなか湿気放出が出来ずなかなか湿度が下がらない。

 →間取り・窓の位置の検討時に、空気の流れ、風の流れの検討を含めることがお勧めです。なぜでしょう?

ポイントは2つ。 

  • 暖かい空気は膨張することで密度が薄くなり、軽くなり上昇します。
  • 湿気を多く含んでいる空気は乾燥している空気よりも軽い。

  つまり風の流れを考え、窓の位置・間取りを検討することで、自然の風を利用し快適な空間を実現できます。

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ぜひ、このポイントをおさえて温度と湿度にも気を配っていただいて、快適な梅雨時期をお過ごしください。

 

せっかくなので最後に余談です・・・。

梅雨が明ければ夏本番、数字で快適を見てみたので夏のご参考までに。

環境省から提唱されているCOOLBIZ(クールビズ)が本年度は5月1日よりすでに始まっております。

COOLBIZでは冷房時の室内温度を28度にしましょう!と掲げています。

28度、暑いんじゃないの?・・・と思ってしまいますが、せっかく湿度と温度と快適について触れたので、下記をご覧ください。

  • 室内温度:28度  相対湿度:40%   不快指数:74.2
  • 室内温度:27度  相対湿度:50%   不快指数:74.4
  • 室内温度:26度  相対湿度:60%   不快指数:74.2

温度を26度にしても湿度が違うと28度と快適さが変わらないことがわかります。

 

ちなみに

  • 室内温度:28度  相対湿度:40%   不快指数:74.2
  • 室内温度:28度  相対湿度:50%   不快指数:75.7
  • 室内温度:28度  相対湿度:60%   不快指数:77

やはり湿度の管理で快適さに違いが出ることがわかります。

 

夏もエコに快適に過ごしていきましょう。

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