日本の化学物質規制事情

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現在の家づくりでまず目にするのがZEH(ゼロエネルギー住宅)というロゴですが他にも耐震、間取り、収納スペースなどさまざまな要素があり考えなければなりません。

その中でもうひとつ検討すべき項目が化学物質やアレルギーのない家づくりではないでしょうか。

 

元来、日本の家づくりは自然素材で造られておりおり、化学物質やアレルギーのない住まいでした。

近年、新建材や塗料に含まれる化学物質により頭痛や吐き気、めまいなどに悩まされる事例が起こっています。

そのような状況を受けて、日本では2003年に建築基準法が改正されシックハウス対策法が施行されています。化学物質13項目に関して濃度の指針値が発表され規制されることになりました。

しかし、2010年に建設された永田町の議員会館でさえもシックハウスの事例が報告されていますのでいまだに完全な対策がなされていない現状があります。

 

では世界での化学物質対策はどうなっているのでしょうか?

世界保健機構(WHO)では2000年5月に「健康な室内空気宣言」として255種類の化学物質が規制され、アメリカ環境保護庁(USEPA)では2000年8月に56種類の化学物質を規制しています。

あれっ?と思いませんか。

そうです。日本では13種類の化学物質は規制されていますがそれ以外のものは野放し状態なのです。

日本で規制された13種類以外の化学物質は人体に無害だと思いますか?

化学物質は約120cm以下に停滞しやすい性質を持っていますので背の低い子供さんや就寝時のベッドなどは濃度の高い化学物質を吸い込みやすい状況です。

新建材が多く使われている日本でこれ以上に厳しく化学物質の規制すると家が建たなくなる恐れがあるらしく13種類という数字になった背景もあるようです。

 

新建材の利用をなるべく少なく、自然素材を多く活用した家づくりを考えてみることも家づくりで大切な検討項目のひとつでしょう。

最後に、家具・カーテン・ジュータンなどは規制の対象になっていません。
家具選びの際にも化学物質の発散が少ないものを選択されるようにご注意ください。