夏の木陰、冬の陽だまりの家『パッシブデザイン住宅』

パッシブデザイン住宅 イメージ

PDF版: パッシブデザイン(PDF)


『最近の家は昔に比べて良くなっている』
どんな会社に家づくりを頼んでも
暖かさや涼しさを実感できると考えていませんか?


 

新築してから後悔する項目 第2位は今も昔も『断熱性』

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まず初めに、家づくりにおいての断熱性の大切さを知ってください
パッシブデザイン住宅、認定低炭素住宅、認定長期優良住宅、ゼロ・エネルギー住宅、省エネルギー住宅など様々な優良住宅がありますが、その基本は断熱性の高さがあってこそなんです。

家づくりにおいて、間取りやデザインなど目に見えるものや価格も大切ですが、
住み心地の良さというのは見えるものではなく体感できるものにあるのです。
その住み心地の良さが、住んでからの満足度に繋がるのではないでしょうか?

新築してから後悔する項目
1位は『収納・間取り』、2位は『寒さ・暑さ・風通しの悪さ・結露』です。

『収納・間取り』については興味を持って熱心に考えている方が多く、注文住宅であればある程度の希望は叶えられると言えるでしょう。しかし、2位の『寒い・暑い・風通しが悪い・結露』の原因である断熱性や窓の設計にはあまり興味を持っていなかったり、違いが分からずに施工会社に“おまかせ”という方が多いのではないでしょうか?その結果、「新しい家なら暖かくて涼しい」という期待が裏切られてしまうのでしょう。

ですから、家づくりの初期の段階で断熱性について興味を持ち、知って欲しいのです。

 

断熱性能の基本知識

断熱性=断熱材の厚みだと思っていませんか?
断熱性能について話をさせていただくと、「断熱材の厚さはどのくらいですか?」という質問をうけます。
ですが、断熱材というのは厚みでは判断できず、どれほどの性能のものをどれだけの厚みで入れるのかです。
例えば、住宅用グラスウール(16K)を99㎜いれることは、高性能グラスウール(16K)を84㎜入れることと同等の仕様です。

そして、断熱材の仕様=建物の断熱性ではありません。
なぜなら、建物は壁だけでなく、床・屋根・窓からも外気の影響を受けるからです。
優れた断熱材を使用しても、性能の低い窓を設置してしまっては、断熱性が高いとは言えないのです。

断熱性は外皮平均熱貫流率(UA値)と冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)で確認。

外皮平均熱貫流率とは、外気に接する部分から平均的にどのくらいの熱が逃げているのかと言うこと。
つまり、低い方が良いのです。

冷房期の平均日射熱取得率とは、夏日差しからどれくらいの影響をうけるのかと言うこと。
こちらも、低い方が良いということです。

青梅市周辺(5地域)の基準値は、
外皮平均熱貫流率(UA値)は0.87w/㎡・K以下、冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)は3.0以下です。


断熱性はUA値=0.87、ηA値=3.0を基準に低い方がいい!


 

 

 

断熱性と省エネ・健康

省エネルギー

断熱性の高さ=省エネルギーというのはイメージしやすいと思います。
外気温の影響を受けにくいので、少ない力で室温を保つことができるという事です。パッシブ素材3室温を保つには失ってしまった熱と同じだけの熱を作らなくてはならない。

イメージは、ヤカンのお湯を何度も温めなおすのと魔法ビンにいれて保温する。


高断熱の家=魔法ビン


 

断熱性の低い住宅では、いくら省エネ性能の高いエアコンや暖房機器を設置したとしても、稼働し続けなければならない・設定室温に達するまでに時間がかかってしまう為、住宅の性能が省エネ機器の足を引っ張ってしまうのです。

また、太陽光発電を搭載する場合も、断熱性の低い住宅では消費電力が高い為、売電収入よりも電気代が上回ってしまうなど、思うように効果を実感できないケースもあります。

省エネルギー性能は、住宅の性能(断熱性)や搭載する設備(換気・照明・空調・発電など)などを総合的に評価します。

省エネルギー性能は一次エネルギー消費量を計算し、3段階で評価することができます。
※一次エネルギー:自然にそのままの形で存在するエネルギー(石油・石炭・天然ガス・原子力燃料のウラン・水力・風力・太陽・地熱など)

中島工務店 断熱性能実績 

 

健康

ヒートショックを予防
家庭内の死亡事故の多くが寒い時期の入浴中に起こっています。その多くが温度差によるヒートショックによって心筋梗塞や脳出血、脳梗塞を引き起こしたことが原因と考えられています。その発生数は、交通死亡事故よりもはるかに多く発生しているのす。高断熱の家は家中丸ごと保温しているので部屋ごとの温度差が少なく、ヒートショックを予防できます。

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疾病の改善

高断熱住宅では、通常の住宅よりも温度変化が少ないので、室内の湿度をある程度のレベルに保ちやすくなります。湿度は人の健康にはとても重要な要素です。室内での適正な湿度は40%以上と言われ、乾燥が進んで湿度20~35%程度になると、風邪やインフルエンザなどウィルスが空気中でしばらく生きながらえてしまいます。

逆に湿度が高すぎる住まいは、結露が発生し、カビやダニが繁殖して、その胞子や死がい、糞が室内に放出されることに。カビやダニは、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー症状を引き起こす原因にもなります。湿度を適切に保つことが、家の中のきれいな空気を確保し、家族の健康を守ることにつながるのです。

 

疾病改善グラフ

良質な睡眠
一般的な断熱性能の住宅の場合、冬場(外気温1℃)、就寝前(夜12時)に暖房を消すと23℃あった室温が朝(6時)には7.9℃まで下がってしまいます。しかし、断熱性の高い住宅は保温力に優れているので、朝まで温かさが残り、15.9℃だったという実験結果があります。

これなら、寒さや冷えで目が覚めてしまったり、何度もトイレに起きてしまうなどの症状が改善、夏の寝苦しい夜も朝までグッスリ眠れ、エアコンの風によるのどの痛みなども改善することが期待できます。

また、良質な睡眠は健康や美容にも良いと言われ、特に成長期のお子様には良質な睡眠が大切です。

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ここからがパッシブデザインのお話

パッシブデザイン住宅とは、自然な心地よさと省エネルギーを実現させる住宅です。
断熱性の高い住宅=パッシブデザイン住宅という訳ではありません。
ここからが、自然を上手く取り入れる設計。パッシブデザインということです。

閉じこめる(断熱性)だけでなく取り入れる工夫(パッシブデザイン)

窓×太陽×パッシブデザイン

夏は遮り冬は取り入れたい、日差し。
夏の太陽は高く、冬の太陽は低い。軒や庇の設計で工夫します。パッシブ素材
軒や庇を効果的に設計することで、夏は南面で約40%、東西面で約20%も窓に当たる日差しを遮ってくれます。また、冬の太陽の低い時期には日差しを取り入れることができます。

日中の明るさを取り入れる窓の設計、昼光利用。
トップライトや高窓で取り入れる光を照明代わりに。
階段吹き抜け (3)
キャプチャ

 

吹抜け階段の大きな窓とトップライトにより、
リビングから2階まで屋外のような明るさに。

2階すのこホールリビング

窓×風×パッシブデザイン

夏、エアコンの風ではなく自然の風が吹く心地良い空間。
その地域に吹く風の向きのデータ(卓越風向)を参考に通風のデザインを考えます。

風の通り道をつくる。
吹き抜けや階段を通り抜ける風を考えることも
有効な通風デザインです。
風の通り道風データ

風をつかむ。
通常の引違い窓では壁に平行に吹く風はあまり室内に入ってきません。
そうした風をつかむのが〝ウインドキャッチ″の工夫です。
縦軸回転窓窓採風モデル

 

パッシブデザイン住宅の“暖涼感”

冬、羽織もの1枚で快適、温度差5℃以内
一般的に人が過ごしやすいと感じる気温は27℃から23℃となり、22℃から15℃で肌寒いと感じ、14℃以下になると寒いと感じ、健康にも悪影響をおよぼす可能性がでてきます。ですから、中島工務店では最低室温(居室の早朝の室温)が15℃以上になるよう目指しています。これは、羽織もの1枚で快適な室温です。

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冬のヒートショックによる死亡事故は、交通死亡事故の約3、4倍多いという事実をご存じでしょうか?これは、住宅における居室と非居室の温度差が原因とされています。室温の差が6℃から10℃以上あるとヒートショックを起こしやすいと言われています。ですので、居室と脱衣室等の非居室との許容温度差として5℃を目指しています。

温度差

 

夏、エアコンの稼働率を最小限に
家の中に居ても、「熱中症にかかる例」が、気温上昇とともに問題になっています。熱中症は高温・多湿・風のない場所で起こりやすくなります。体感温度が28℃を超えると厳重警戒すべきと言われており、それを室温で計算すると32℃になるそうです。 ですから、室温を32℃以下にすることを目安にしています。日差しを遮る工夫や風を取り込む工夫が体感温度を下げ、快適性が高まります。

夏は気温が28℃くらいになると不満を感じる方が増えてきます。これは、32℃よりも低い温度ですが、真夏の日中はエアコンをかけて暮らすのが現実的であり、そのエアコンの稼働率をできるだけ小さくすることを“夏のパッシブ”とします。

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〝夏の木陰、冬の陽だまり″その心地良さを感じる家は、エアコンや暖房器具・照明などの使用頻度を減らし、電気・ガス・灯油などの光熱費を削減します。
そして、省エネルギーでエコな暮らしを生むだけではなく、〝居心地の良い住宅″は心のゆとりや良質な睡眠など、健康へも良い影響を与えてくれます。



住宅の性能と家族の健康には密接な関係があります。価値ある家づくりには価格や間取りだけでなく見えない所も重要です。高性能木造住宅を得意技とする中島工務店ではパッシブデザイン住宅にも積極的に取り組んでいます!!


 

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