みんなの作品集(施工事例)

温故知新の家

東京 株式会社ピネスト

『終の棲家』というとどんなイメージを持ちますか?

人間の一生において終の棲家を意識しだすタイミングは子供が巣立ち、仕事が一段落して落ちついてきたころではないでしょうか。

 

しかしそうした制約が少なくなった時こそセーブしていたことが日常的に楽しめるのではないでしょうか。

例えば音楽を聴くために設計された部屋、籠って料理に没頭できる厨房、気持ちよく読書をするためだけのチェアやライト。

なんだかワクワクしてきませんか?もちろん上記のベースとなる「いつもの暮らし」はきちんと担保されている前提です。

 

温故知新の家のオーナーM様とお話をしていく中で『終の棲家』という言葉が出ました。
それはご自身の年齢的な意味合いからだが同時に自分らしく暮らしたいとの話もいただきました。

すなわちそれは“いかに部屋を広くとるか”“外からどれだけ立派に見えるか”といった尺度で自邸を考えてはいないのだろうと。

温故知新の家は、これまでのライフスタイルをベースにこれからの楽しさを求めていくM様ご夫婦の人柄を表現しました。

 

外観のポイントは塊感であり、その土地に定着している安定感です。

バルコニー面に張った天然木板が効果的に奥行きを感じさせます。

 

玄関を入るとまず目に入るのが歴史を感じる欄間。

旧家から取り外し新家の顔の一つとして蘇りました。

 

LDKは15畳程度とあまり広くはありません。

その空間の中であまり表に出したくないものに冷蔵庫などを天井までの壁で区画してしまうと余計に狭く圧迫感に感じるものです。

そこで180cmと高さを抑えた壁で区画すると圧迫感を感じることなくゆるやかに空間を仕上げる事ができました。壁の角を直角ではなく丸面にしているのも上記に一役買っています。

この壁のデザインはさりげなく互いを気遣うM様ご夫婦の姿からインスピレーションを受けました。

 

それからM様は本を読む時間が好きとの事。

それならば本が読みたくなる場所を造ってみませんかと提案しました。

アンティークが好みだということもあり読書灯専用スイッチにはレトロさを感じるトグルスイッチを採用しました。

「カチッ」とスイッチを入れることで灯は当然ながら本を読む時間への気持ちのスイッチも入るのではないでしょうか。

 

無垢のフローリングやしっくいの壁、デザインされた天然木など天然素材がふんだんに効果的に使われています。

そして最新の技術などで担保された“冬は温かく夏は涼しい”体への負担も少ない暮らしの基本の部分。

お客様ごとに温故知新をご提案させていただきます。